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インフルエンザとタミフル
2005-11-13 Sun 11:06
 そろそろシーズンになってきました。
 医療に携わる人間のハシクレとして、ワタシも予防接種を受けたわけですが、この時期になると必ず問題になるのが、インフルエンザ治療薬タミフル。
 3年前は大流行で薬そのものが極端に不足し、幻の薬とまでいわれました。2年前にもやはり供給が滞ることがあり(欠品することはなかったが、ほぼ配給状態)、去年やっと安定供給した感があったのですが。
 今年もそろそろ準備しようかと、ドライシロップをメーカーに発注をかけたところ、なんと納品されず。メーカーに話を聞いたところ、出庫調整をかけているとのこと。またなんでも在庫を抱え込んだ医療機関があるようで、安定供給に支障をきたす恐れがあるので、前年の実績で供給量を決めるといわれました。
 んじゃ、ウチの割り当てはどのくらいあるのかと聞いたら、なんと20本。1本30g入りで薬3人分。つまり60人分しかない。
 ちなみに、去年のウチの実績400本を越えております。どこが過去の実績をもとにしてるんだか。20本、下手をすると1日で捌けてしまいます。
 上司もカンカンで、メーカー、卸を相手にお説教してました。

 さて。
 タミフルにはここ数日、副作用のニュースがあるようで(インフルエンザ薬「タミフル」に副作用?異常行動で2人死亡:サンスポ)。
 一応、3年ほどインフルエンザの患者(子供)相手にこの薬を投薬してきましたが、今のところこういった類の副作用(異常行動)をきたした例はないです。もっとも、全国規模の市販後調査に比べると症例数が圧倒的に少ないので絶対にありえないとは言い切れませんし、母親が異常行動だと気づかなかった例もあるかも知れません。

 いくつかネットニュースで見てきましたが、新聞記事って書き方次第で本当に印象変わるねぇ。多くの新聞記事では読後に「タミフルは危険なもの」というイメージが植えつけられる気がします。
 平成12〜16年度に64例の精神障害があった、と記事には書かれていますが、何例中の64例なのかによって印象はまったく変わるわけで。ちなみに、タミフルの供給量は昨シーズンは国内で約860万人分(1人分10カプセルで換算)。全員が全員10カプセル使うわけではないし、医療機関に備蓄として残っている量もあるだろうから正確な数字はわからないけれど、インフルエンザでタミフルを処方した症例数って4年間で1000万を超えるんじゃないの?

 実際、タミフルをインフルエンザにかかった初期に使うと、熱もそれほど上がらず、治りもかなり早いです。小児や老人は抵抗力が強くないわけで、恐らくこの薬のおかげで助かった患者さんってかなり多いんじゃないかなぁ?
 朝日新聞の記事(「タミフル服用で行動異常死」学会報告 専門家は疑問視)で、
>浜理事長は「副作用で異常行動が起きたと考えるのが自然。インフルエンザは安静にすることが大事で、薬に頼るべきではない」と言う。 なんてことが書いてありますが、安静にしてるだけでインフルエンザが治るなら毎年インフルエンザによる死者はもっと少ないでしょう(参考;インフルエンザQ&A)。

 インフルエンザの治療薬は、A型インフルエンザについてはシンメトレル(アマンタジン)が他にありますが(これも中枢に効果を及ぼす薬なので、異常行動云々についてはタミフルよりもリスク高いかも)、B型インフルエンザについてはタミフルしか存在しません。

 こういった背景を踏まえて、マスコミは「異常行動が出る」ってことをセンセーショナルに報道するんではなくて、どれだけの症例中に何例の異常行動の副作用があって、ニュースで報道されたような不幸な事例にならないようにはどういうことに気をつければよいかをきっちり報道すべきなんじゃないかなぁ?

 正直なところ、どれだけリスクが低いということを説明しても、「異常行動を起こす恐れがあるので」なんて話をしたら、お母さん方は子供に薬を飲ませないよ。まぁ、それも母親の選択と言えばそれまでだけど、マスメディアが与える影響ってのは末端の一薬剤師がひっくり返すのは至難の業だからねぇ。
 







 
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この記事のコメント
はじめまして。

 2年前にインフルエンザに罹患した娘に関して、ずっと不信に思っていたことがあり、最近ニュースで「タミフル」という薬のことを知り、インターネットで色々調べていてここのページにたどり着きました。参考までに我が家の体験談を書かせてください。

 ちょうど2002年の大晦日の午後、3歳になったばかりの我が子(女の子です)が急に40度もの高熱を出し、かかりつけ医は正月休みに入っていたため、県(高知)の救急医療センターに電話で相談し、併設されている診察室で見てもらいました。熱の状況などから見てインフルエンザだろうと診察され(もっと複雑な検査を経たかもしれませんが良く覚えていません)、飲み薬を処方されました。確か座薬も処方されたと思うのですが、紅白歌合戦が始まる時間になっても一向に熱が下がりません。かなり辛そうな感じで食欲も全くありませんでした。
 やがて紅白も終わり、2003年になりました。しかし一人娘がそういう状態では正月どころではありません。とりあえず、しんどそうな娘を傍らに横になりました。すると突然、それまでぜえぜえ言っていた娘が「ぎゃあっ〜!!」という奇声を発しながらがばっと起き上がり、布団をはねのけ走り出したのです。その様子はまるで昔の映画「震える舌」のようでした。慌てて私が捕まえ、「どうした?悪い夢でも見たのか?」と尋ねると、娘は「キツツキさんが来る!!」と恐怖に顔を引きつらせながら言うのです。私は娘を心配させまいと、「キツツキなんかどこにもいないよ」というと、娘は「今もそこにいる…」と壁の隅を指差すのです…。私は家内と顔を見合わせ、その壁の方を見ました。しかし当然ながらキツツキなどいません。まさしくホラーです。
 実はその「キツツキさん」には心当たりがありました。その頃、美川憲一がキツツキとCG合成されたテレビコマーシャルがよく放送されていて、ちょうどその日も夕方頃、娘と一緒にテレビでそのCMを見たばかりだったのです。恐らく悪い夢でも見たのだろうと思い、「キツツキさんがきたらパパがやっつけてやる」と言いながら、また娘を寝かしつけました。しかしものの30分もしないうちに、また娘が「ぎゃあ〜っ!!」というすさまじい絶叫とともにまた布団を跳ね除けました。今度は布団の上に座り込み、虚空を見つめながら何度も何度も「ごめんなさい、ごめんなさい」と何度も繰り返すのです。私はまたもや「悪い夢でも見たのだろう」と思い、「○○ちゃんは何も悪いことをしてないんだから謝る必要ないよ」と娘をなだめてまた寝かしつけました。しかし、娘は絶えず悪夢を見つづけている様子で、突然の絶叫と「キツツキさん」「ごめんなさい」を何度も繰り返します。
 さすがに家内も私も、娘が精神的に異常になっていることを疑わずにいられなくなりました。再び救急医療センターに連絡を取り、救急患者を受け入れている国立K病院(総合病院)に夜も明けぬうちに行くことにしました。あいかわらず娘の熱は下がらず、ぐったりしたままです。そこで精密検査を受け正式に(?)「インフルエンザ」だと告げられました。おまけに肺炎にもなりかかっているとのことで即入院が決まりました。それまでほとんど何も食べられない状態だったため、病院では点滴と投薬の治療を受けました。まだ点滴の意味もわからない娘にとっては酷な状況だったと思います。
 やがて正月の朝となりました。しかし娘の精神状況はますます不安定になるばかりでした。その日の午前中はこちらの問いかけにもほとんど答えないような状況になり、じっと虚空を見つめているような感じです。心配になり、担当の先生に相談もしてみましたが、「小さいからインフルエンザの病状となれない入院が重なってそういう状態になっているのでは…」と釈然としません。私達にとっては前々日まで元気だった娘が明らかにおかしくなってしまったのは良くわかりました。しかし娘の普段を知らない医師には、娘の異常があまりピンときていないように感じられました。
 その日の午後になって、また再び例の「ぎゃあっ〜」という叫びと、「キツツキ」「ごめんなさい」を連発し始めました。すぐに看護婦さんを呼び、医師も駆けつけ、そこではじめて娘が異常な幻覚を見ていることが分かったようでした。家内は「熱のせいで娘の頭がおかしくなっちゃった」と泣き出す始末です。しかしそこでは具体的な処置や診察は行われず、まんじりともしないまま元日が終りました。
 翌2日になって、今度は午前中から再び「ぎゃあっ〜」「キツツキ」「ごめんなさい」が始まりました。今度は幾分熱は下がっていましたが、38度近くはあったと思います。再び医師の診察を受け、そこで初めて医師は私達に「インフルエンザ脳症かも知れません」と告げました。その聞きなれない病名に私達は呆然としましたが、医師の表情から相当深刻な状態であるということが分かりました。「障害が残るかもしれないんですか?」と聞くと医師は「分かりません。とにかく明日になれば精密検査のできる医師が出勤しますので検査を受けてください」との事です。すっかり生気を失ってやつれた娘を抱いてその日は泣く泣く眠りました。
 その翌日、正月3日になって脳波などの精密検査を受けました。しかし、脳に異常は見つかりませんでした。ほっとしたとは言うものの相変わらず、娘は変な状態です。うまく言い表せませんが、普通の言動や受け答えが出来なくなった感じでした。しかしそれでも熱は次第に下がり、特に異常がないので退院しても良いということになりました。
 正月4日、なんとか娘を普通の状態に直したいと思い、色々話し掛けてみました。しかし娘は何かおかしい様子です。前日から熱は下がっていたので薬を飲ますのはやめていました。そしてその日の夕方近くになって、やっと娘が自分から私達に話し掛けたり、薄紙をはぐように正常な状態が戻ってきました。
 正月5日、娘を連れて病み上がりだとは言うものの、わたしと2人でドライブに出かけました。少しでも色んな刺激を与えて、娘の状況を見たいと思ったからです。まだ午前中はぼうっとしている様子でしたが、水族館についてアシカショーを見ている途中、ある瞬間不意にパッと娘が完全に正常になったのがなぜか分かりました。その時、嬉しかったこと…。

 今になって考えてみると、明らかに娘はあの病気の最中、単なるインフルエンザというには精神的に異常になり、一時は発狂したようになり、幻覚も見ていたように思います。そして肺炎の併発…。今となってはあの時処方された薬が何であったか思い出せません。しかし、その後「タミフル」のことを調べるにつけ、娘は「タミフル」を飲まされ異常な状態になってしまったのではないかと思うようになりました。

 まもなく娘は6歳になります。今は元気で保育園に通う毎日です。
2005-11-25 Fri 22:37 | URL | 土佐のいごっそう #Jj/SWsDU[ 内容変更]
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